2021年5月のテーマ 産直月間~トマト月間~

1、5月のテーマは「産直月間~トマト月間~」です。

2、産地と食卓と、未来をつなぐ産直
産直とは、生「産」者と「直」につながる、「産」地を「直」に知るということ。生産者にお会いして、どんな思いやこだわりを持って作られたものなのかうかがったり、産地を見せていただいたり。組合員がほしい商品を生産者と一緒に開発することもあります。どんな商品がほしい?どんなこだわりを大切にしたい?食べる人とつくる人が、いのちをつなぐ食べものづくりをいっしょに考え、支えあう。産地と食卓と、未来をつなぐ産直です。

3、奈良県農民連の野菜
奈良県農民連は、地域の農業を守るための運動と、安全な農産物の産直(生産と流通)を目的とした農家の団体です。カタログで「自然派の野菜セット」を注文すると、奈良の組合員には奈良県農民連の野菜セットが届きます。また、奈良の組合員にだけ「ならやさい」チラシが配布されていて、奈良県産の単品野菜と月ヶ瀬健康茶園のお茶を買うことができます。地元の生産者ということで、産地見学や梅しごとなど学習会も頻繁に開催させてもらっており、地産地消は産直の土台だと感じます。学校給食の取り組みも一緒に行っています。

4、あくとのりんご
あくとは産直を始めて40年。長野県で減農薬・省農薬のりんごの栽培をしています。「あくと」とは「かかと(踵)」を示す言葉で、「大地に足をつけて地道に、着実に農業に向き合おう」という想いが込められています。2017年からは、ネオニコチノイド系農薬を一切使わない栽培に挑戦。コープ自然派のりんごパン、りんごジャム、りんごジュースにもあくとのりんごが使われています。「ネオニコを使わなくても、虫が大量発生することなくりんごを作れています」という声に大きな力をもらっています。

5、井口さんのトマト
「自分の子どもに食べさせているおいしいトマトを多くの方に良心価格でお届けしたい」と話す井口賀夫さんはトマトの生産者のひとりです。野菜にとって何がいいのか、土壌分析をもとに有機堆肥で土づくりを行い、植物生理を理解して野菜の成長をサポート。井口さんのトマトは、栄養分析により糖度、抗酸化力、ビタミンCが非常に高く、体にダメージを与える可能性のある硝酸イオンは検出限界値以下の低い値という結果で、2015 年オーガニックフェスタで最優秀賞を受賞しました。舌だけではなく五感全体で楽しめて、感動を届けたいという井口さんの挑戦はまだまだ続きます。

6、にんじんの生産者さん
コープ自然派には特長あるにんじん生産者さんがたくさんいます。日本ソムリエサミット野菜部門で初の三ツ星を受賞した京谷さん、種を採って在来種を守る佐藤さん、九州で有機栽培に取り組む若手生産者の鳥越さん、今村さん、榎本さん。にんじんキャラバンでお話をしていただいた鳥越さんは、東日本大震災で「生きることは食べること」だと実感して有機農業を始められました。「誰もが安心して有機野菜を食べてほしい、おいしいという笑顔がみたい」という思いはみんな同じです。
https://www.youtube.com/watch?v=JlESvidNCAk

7、情熱カンパニーのキャベツ
情熱カンパニーは『情熱あれば夢かなう』を理念に、50名ほどの障害を持ったスタッフとともに日々野菜作りを一生懸命楽しんでいます。BLOF理論に基づいた栽培技術を基本とし、自然豚のたい肥からの優良な栄養分と海水からの豊富なミネラルを合わせ、栄養価の高いキャベツを生産。「農業でみんなが幸せになる」を目指し、100人を目標にこれからももっと仲間を増やして行きます。

8、マルサカ有機のれんこん
マルサカ有機は徳島でれんこんの無農薬栽培に取り組んでいます。れんこんは一般的には見た目を重視するため化学肥料や農薬が多用されるのだそうですが、マルサカ有機の畑では有機肥料のみを使用し、有益菌も悪玉菌も共存する自然環境に配慮した栽培を行っています。マルサカ有機の「マル」は循環を、「サカ」は険しい道を意味します。志を同じくしたメンバーと今日も有機農業にチャレンジし続けています。

9、大雪を囲む会のじゃがいも
北海道の真ん中の大雪連峰を囲むように生産者が集まっている「大雪を囲む会」。栽培は土づくりを基本として、化学合成農薬や化学肥料は一切使わない有機栽培で、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、小麦など、食卓を支える農産物をたくさん作っています。大雪を囲む会の設立から10年。代表の一戸さんをはじめ、メンバーのみなさんに後継者が育っていることにもこれからの農業を考える上で心強さを感じます。

10、渡部さんの大豆
北海道の渡部さんとコープ自然派は40年前からのおつきあい。当時は酪農を営んでいた渡部さんと、昭和40年代に始まった安全な牛乳を求める運動で出会いました。その後「有畜複合農業」(作物の栽培と家畜の飼育を組合せた農業)を経て、畑作専業に転換した渡部さんは、じゃがいも、大豆、小豆などの無農薬・無化学肥料栽培を続けています。自然派Style大粒納豆には、渡部さんの無農薬栽培大豆が使われています。

11、南桧垣営農組合とつくる大和ひみこ米
「大和ひみこ米」は組合員活動から生まれたお米です。生産者・組合員が共に取り組みを始めて12年目を迎えました。天理と田原本の中間に位置する「大和ひみこ米」の田んぼでは 年4回、組合員が田んぼのイベントに訪れ交流しています。自分たちの植えたお米を秋に自分たちで収穫し、食べられる楽しみは大和ひみこ米ならでは。省農薬から無農薬にしていけたらいいなと取り組んでいます。
https://www.nara.shizenha.net/himiko/

12、源流米
徳島県の吉野川には、江戸時代に作られ250年以上いまも残る吉野川第十堰という堰があります。約25年前、吉野川第十堰を大規模改修し可動堰にするという計画がもちあがり、コープ自然派の前身である共同購入会も反対運動を展開しました。この反対運動の中で、いのちの水である吉野川の水を守るためには、その源流である山や森を守らなくてはならないと気づいた人たちが、上流域の農家と協力として生まれたのが「源流米」です。山を守り、水を守ることが、いのちの循環を再生する、その象徴が「源流米」なのです。

13、今城さんの小麦
コープ自然派では、国産有機小麦を使ったパンを作りたいと考えていましたが、なかなか国産有機小麦を手に入れることができませんでした。そんな中で出会ったのが、北海道の今城さん。今城さんは、北海道比布町に約200haの畑をもつ大規模農家で、その半分が有機JAS認証農場です。「土の中の微生物に十分な栄養を与え、『利息』だけいただくことで有機農業を永遠に続けることができる」と話す今城さんのモットーは「畑に貯金」。国産有機小麦が増え、国産オーガニックのパンをたくさん作れることを夢見ています。
https://table-shizenha.jp/?p=2566

14、よつ葉乳業との40年
コープ自然派とよつ葉乳業との産直は40余年続いています。「低温殺菌(HTST)」「ノンホモ」「NON-GMO」「国産自給飼料」「放牧酪農」など、生産者と消費者がより良い牛乳を目指し取り組んできました。これまでの歩みの中で転機となったのが、よつ葉UHT牛乳の導入です。コープ自然派ではより生乳に近い味わいの低温殺菌牛乳を基本としていますが、「日本の酪農を守り拡げるために賞味期限が長いUHT牛乳が必要ではないか」と導入を決意しました。アニマルウェルフェアの取り組みでもある「よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳」もぜひ応援おねがいします。

15、雪ヶ峰牧場の「牛の道」
山地酪農をご存じですか?牛舎の中ではなく、山の自然の中で牛が自由に過ごす酪農方法です。高知県土佐山田町にある雪ヶ峰牧場は、山の斜面をそのまま生かした山地酪農の牧場です。牛たちは搾乳のために朝夕1回ずつ山麓に戻ってくるだけで、雨の日も風の日も丘陵で暮らしています。自然交配、自然分娩で出産も山の中。究極のアニマルウェルフェアといえるかもしれません。「牛の道」とはそんな牛たちが草を食べながら長期間にわたって歩いた跡のこと。遠くからでも山の斜面に見ることができます。

16、TONTON大浦さんの豚 
TONTON ブランドでおなじみの大浦さん。トントンは肩たたき。肩をたたく時のように思いやる心を忘れずに生産に取り組んでいます。おがくずを敷き詰めた踏み込み式豚舎では、仔豚たちが元気に走りまわっています。「いいものを食べて健康に育てれば薬は必要ない」という大浦さん。父豚(種豚)、母豚の飼育から繁殖、肥育、そして加工まで一貫して行っている大浦さん。養豚から堆肥を使った有機のお米や野菜の栽培、そしてソーセージづくりまで、大地を守り、いのちを守るものづくりです。

17、自然豚
自然豚は1998年、安全な豚肉を食べたいという組合員の願いから誕生しました。エサに徹底的にこだわり、NON-GMO(非遺伝子組み換え)、PHF(収穫後農薬不使用)のトウモロコシや大豆など植物性中心のものを与え与えています。繁殖から肥育まで一貫生産で、抗生物質や合成抗菌剤を使わず、豚が持つ免疫力が高まるよう、のびのびとした環境で健康的に育てています。そして2020年秋、準備に5年の歳月をかけたアニマルウェルフェア対応の新しい生産体制がスタート。できるだけ動物本来の自然のままに、大切に育てられています。

18、希望農場の放牧豚
北海道にある希望農業でのびのびと育つ放牧豚を、コープ自然派では豚一頭分のいろんな部位を3ヶ月かけて味わう「一頭買い」として供給しています。放牧豚はその名のとおり、出荷前約100日間は豚舎とグラウンドを自由に行き来できるところで育てられます。泥だらけ、雪まみれになりながら元気に駆け回りながら育つ豚たちは、運動することで健康的であることはもちろん、ストレスがかからないのが大きな特徴です。

19、神山鶏
神山鶏の生産者イシイフーズは、賀川豊彦の小説「乳と蜜の流るる郷」を手本とした、「誰もが栄養豊かな食べ物を食べ、飢える人がいない養鶏の郷をつくりたい」という「養鶏の郷」の理想が受け継がれています。神山鶏は、非遺伝子組み換え(NON-GMO)かつ植物性100%のエサで育ててほしいという組合員の要望からはじまりました。国産自給飼料の割合を向上させるために飼料全体の20%に飼料米を使用し、抗生物質を使用しない、開放鶏舎で平飼いするなどこだわりがたくさんあります。健康に育てることが神山鶏の基本。ニワトリにとって一番快適な環境(きれいな水、きれいな空気、清潔な寝床)を整えています。

20、旭商事のオーガニックたまご
旭商事のオーガニックたまごの取り組みは、コープ自然派の組合員の声から始まりました。2018年2月、旭商事は西日本初となるたまごの有機JAS認証を取得。オーガニックに取り組む理由として、有機飼料を使うことで世界に有機の土壌を広げたい、そしてアニマルウェルフェアを実現することで家畜(家禽)のストレスを減らしたいと山根社長は話します。生産者・販売者・消費者が協力して人と環境にやさしい持続可能な社会を実現したい、そんな想いが込められたオーガニックたまごです。

21、葉香製茶のお茶
葉香製茶は奈良市月ヶ瀬で40年以上前から農薬も化学肥料もまったく使わずお茶をつくり続けています。コープ自然派との産直関係は長く、前身の共同購入会時代から茶畑で見学や体験をさせていただいています。おいしいお茶は豊かな土がつくります。葉香製茶のふわふわの土から生まれた生命力豊かなお茶を、五感をフルに使って味わってみてください。