2021年8月のテーマ 未来に伝えたい食べ物のこと
1、8月のテーマは「未来に伝えたい食べ物のこと」です。
2、和食
2013年、和食はユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本の四季に沿って旬の野菜を使って作られる和食は、文化的な価値はもちろん、栄養バランスや身土不二の観点からも注目されています。人のいのちと健康はその土と共にある。その土地の旬のたべものを食べることで季節を感じ、伝統食を通して歴史を伝える。私たちが守り引き継がなければ消えてしまう「遺産」。改めて和食を見直してみませんか。
3、まごわやさしい
バランスのよい食事を考えるヒントとして、「食事バランスガイド」とか、ヒトは歯の本数が、2(前歯):1(犬歯):4(臼歯)の割合なので、食事のバランスも、2(野菜):1(肉・魚):4(米や豆)にするのがよいとか、いろいろな説があります。今日ご紹介したいのは「まごわやさしい」。和食の食材の最初の文字を覚えやすく並べたもので、カラダをいたわるごはんの合言葉です。
「ま」まめ
「ご」ごま
「わ」わかめ(海草)
「や」やさい
「さ」さかな
「し」しいたけ(きのこ)
「い」いも類
4、発酵食
腸は人体で最大の免疫器官で、体全体の免疫細胞の半数以上が集まっています。腸内にいる膨大な細菌(善玉菌・日和見菌・悪玉菌)の群生のことを、「腸内フローラ」とよび、体を元気な状態にするためには、このバランスを一定に保つことが大切です。そして腸内フローラを整えるために、一役買う働きをする食べものが発酵食品です。発酵食品は、その土地の気候、風土、食文化に根差した伝統食であり、日本には数多くの発酵食品が存在しています。醤油、みそ、みりん、漬物、納豆、ヨーグルトなどなど、手づくりもおすすめです。
5、米
日本の主食はお米です。日本の気候が稲の栽培に適していること、長い間保存できることなどが、お米が主食になった理由です。主食とするにはたくさんの量が必要です。日本の多くの場所では、田んぼ(水田)を中心とした生態系、環境の循環がつくられてきました。その環境を守るため、そして毎日たくさん食べるものだからこそ農薬や化学肥料に頼らないお米を増やしていきたい。合わせて種子法のような法律で、主食の種を守っていかなければいけないと感じます。お米、食べてますか?
6、野菜
私たちは新鮮な野菜から多くの栄養をとっています。コープ自然派では、「野菜のチカラ」を取り戻す栽培を推進しています。土づくりにこだわることで、おいしくて栄養価の高い野菜をつくる。高品質な野菜がたくさんできることで農家さんの収入もアップ。農薬や化学肥料に頼らないことで土壌が元気になって環境も守られる。そんなよい循環をめざして、生産者と力を合わせて取り組んでいます。野菜、食べてますか?
7、果物
果物は野菜以上に無農薬でつくることが難しい作物です。でも、できることから。コープ自然派では、ネオニコフリーに取り組んでいます。ネオニコとは、ネオニコチノイド系農薬とよばれる殺虫剤のこと。その3つの特徴は、・洗っても落ちないこと・長く残ること・神経毒が強いことです。特に脳神経の発達がさかんな小さな子どもや胎児への影響が心配なので、子どもに食べさせたい果物からもぜひ排除したいところ。みんなでネオニコフリーを選びましょう。
https://www.shizenha.net/neonicotinoid/
8、農薬・化学肥料のこと
よく使われる農薬には大きく分けて2つの種類があります。ひとつは除草剤、もうひとつは殺虫剤です。春から夏にかけて、田んぼや畑には刈っても刈っても追いつかないくらい草が生えてきます。暑い中のその労力を軽減してくれるのが除草剤。虫によって農産物が全滅させられたり、見た目が悪くなって売れなくなると農家の収入が成り立ちません。そのリスクから守ってくれるのが殺虫剤。化学肥料も、使う人には使う理由があります。私たちはただ「無農薬で作ってください!」というだけではなく、農家さんが無農薬で作り続けられるやり方を一緒に模索していく必要があります。その先に、農と食と環境が守られるいのちあふれる未来があると思っています。
9、牛乳
乳牛といえば、広い山で草を食む牛たちをイメージするのではないでしょうか。山地酪農という方法で育つ牛たちは、まさにそのようなくらし!雨の日も風の日も丘陵でくらしています。でもそれ以外のほとんどの牛たちは、狭い牛舎の中で人間にエサを与えられて一生をくらします。コープ自然派で扱う牛乳の生産者さんは、牛舎でものびのびと暮らせる広さや環境を整えたり、放牧を取り入れたり、与えるエサにこだわったり、よりよい酪農を追求しています。牛の健康はより安心でおいしい牛乳にもつながります。
https://www.shizenha.net/product_commitment/milk/
10、お肉
いま、ヴィーガンが注目されています。その理由のひとつは、環境問題。畜産は飼育方法によっては、森林伐採や地球温暖化などの環境破壊に大きく影響しているからです。また、動物愛護の理由でヴィーガンになる人もいます。お肉をいただくのであれば、大切に育てたお肉を、大切にいただきたい。動物にとって快適な環境を追求すること、自由に動き回れること、安全な飼料を与えること・・・。コープ自然派では、生産者とともにアニマルウェルフェアの取り組みをすすめています。
https://www.shizenha.net/animal_welfare/
11、たまご
親鶏がもっとも自由な環境で育っているのが平飼い卵。「平飼い」とは、親鶏が鶏舎内を自由に動き回れるようにして飼育する方法で、親鶏たちは自らの足で地面を歩き、気温が高い日が涼しい場所に自分で移動したり、止まり木で休んだり、地面を掘り返す砂遊びなどをして過ごします。コープ自然派では、ストレスの少ない飼育環境づくりに加え、強制換羽された親鶏の卵は取り扱わない、ポストハーベストや遺伝子組み換えのエサは食べさせないなど、様々な角度から安心安全を追求しています。
https://www.shizenha.net/product_commitment/egg/
12、お魚
海に囲まれた日本は、古くから豊かな魚食文化を築いてきました。しかし、今や日本の海産物の4割以上を輸入に頼る上、日本の水産業は漁業者の減少、魚離れ、乱獲による水産資源の枯渇など多くの問題を抱えています。コープ自然派では、日本の水産業を守るため、国産の天然魚を中心に、水揚げ地がはっきりした水産物を取り扱うほか、水産資源の持続可能な利用を目指し、網目の大きさ、漁法に配慮したものを優先しています。
https://www.shizenha.net/product_commitment/seafood/
13、遺伝子組み換え食品のこと
1996年から商業栽培が始まり、世界で急速に拡がっていった遺伝子組み換え作物。さらに、遺伝子組み換えに変わる新たな技術としてゲノム編集食品の研究がすすんでいます。遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品とも共通する問題点として、まず表示が不十分であることが挙げられます。日本ではたくさんの遺伝子組み換え作物が輸入され、私たちが知らない間に口にしてしまっています。なにより、遺伝子組み換え作物が環境に与える影響ははかりしれません。コープ自然派では、遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品に反対しています。
https://www.shizenha.net/non_gmo_food/
14、調味料
料理がおいしく作れない、なんだか味が決まらない。それは料理が下手なのではなく、素材や調味料に本来のおいしさがないからかもしれません。調味料の「さしすせそ」さ:砂糖、し:塩、す:酢、せ:醤油、そ:みそに加え、油やみりんなど、調味料自体がおいしいと、種類も使う量も少しで済みます。国産原料や伝統文化を守ることにもつながります。毎日使う調味料だからこそ、原料・製法・ほんもののおいしさにこだわって選んでみませんか。
https://www.shizenha.net/product_commitment/seasoning/
15、自然派Style
子どもたちがいま食べるものが、未来のからだをつくっていく。だからこそ選んでほしいと作った加工品のプライベートブランドが「自然派Style」です。国産原材料にこだわり、食品添加物に頼らずに、素材の良さを最大限生かすことで、「安心」と「おいしい」を両立させています。また、利用する組合員の想いを生産者につなげ、利用しやすい価格を実現しています。迷ったら自然派Styleを。オーガニックなくらしの入り口をめざしています。
16、食材セット(ミールキット)
材料がカットしてあってあとは調理するだけ!の食材セット(ミールキット)。この食材セットが「誰もが有機農産物を食べることができる社会」につながる商品だということは意外と知られていないかもしれません。たくさん採れすぎた野菜や形の悪い野菜も原料として使用することで、農家が安心して生産量を増やせる仕組みの一端を担っています。時間がないときに助かる存在として、料理の苦手な方やお子さんの練習に、そして農家の安心にもつながる食材セットです。
https://www.shizenha.net/product_commitment/coop_mealkit/
17、国産小麦のパン
日本人1人当たりが1年間に小麦粉を消費する量は約32㎏。お米の年間消費量約53㎏と比較しても、私たちの食生活の中に小麦製品がたくさんあることがわかります。しかし、国産小麦の食料自給率は16%しかなく、ほとんどを輸入に頼っています。この輸入小麦で現在問題となっているのが収穫前除草剤グリホサート。人に対しておそらく発がん性があるとされています。まずは国産小麦を選ぶこと。さらにコープ自然派パン工房(コープブレッドファーム)では、小麦だけでなく、その畑で輪作されるすべての農産物を買い支えることで、国産オーガニック小麦の生産を支えています。国産オーガニック小麦でつくったパンを毎日の食卓に。
18、食品添加物のこと
食品添加物には、大きく分けて2つの目的があります。ひとつは、食品の日持ちを良くし、食中毒を防止すること。そのために使われるのは、保存料や酸化防止剤など。もうひとつは、食品の風味や外観を良くすること。そのために使われるのは、着色料、香料、甘味料、調味料、乳化剤、増粘安定剤など。賞味期限を長くすることも、見た目をおいしそうにすることも、ときには必要でしょう。でも、それって、毎日食べるものに必要でしょうか?コープ自然派では、現在日本で使用が認められている食品添加物の9割以上の使用を認めていません。食品添加物に頼らず、素材本来の味わいを生かすことを大切にした商品づくりを行っています。
19、放射性物質のこと
世界中で行われて続けている核実験、チェルノブイリや福島での大規模な原発事故などの影響で、世界中に放射性物質がまき散らされています。特にわたしたちに影響の大きい福島第一原発の事故について、放出された放射性物質は、広島に投下された原子爆弾の168個分にあたるといわれ、さらにいまも大量の汚染水が発生し続けています。内部被ばくから身を守るため、コープ自然派では徹底した放射能検査を行い、その結果や産地情報を公開するとともに、原発に反対する運動を続けています。
https://www.shizenha.net/radiation_inspection/
20、選べる消費者に
コープ自然派では、商品の原材料はすべてカタログに掲載し、可能な限り安全基準マークや産地、製法、検査結果などをお知らせしています。また、どのような観点で選べばいいか、知識を身につける機会もたくさん設けています。わたしたちは生協だけで買い物をして生きていくことはできません。スーパーでもコンビニでもレストランでも、未来に伝えたい食べ物を選べるように、コープ自然派で一緒に学んでいければと思っています。
21、カタログ表示
コープ自然派では、国産原材料、厳しい食品添加物基準、non-GMO、環境ホルモンや放射線照射食品排除など、たくさんの基準をクリアしたものだけを取り扱っています。しかし、何より重視しているのは、情報公開です。組合員(消費者)が自分で選べることこそが大切だと考えるからです。そのために、商品の原材料はすべてカタログに掲載し、可能な限り安全基準マークや産地、製法、検査結果などをお知らせしています。
https://www.shizenha.ne.jp/markguide/
22、組合員活動
コープ自然派では、組合員活動に力を入れています。どのような食べものを守りたいのか、どのようなくらしを未来に伝えたいのか、学ばなければ分からないことがたくさんあります。そんなとき、組合員が自主的に学習や交流の場を立ち上げられるのが組合員活動です。食のことはもちろん、オーガニックなくらし、ナチュラルなくらしにつながる学びを、みんなで行っています。いのち、自然、くらしを大切にする社会を、一緒につくっていきましょう。
https://www.shizenha.net/kumikatsu/