お知らせ
2025年 新年のご挨拶
2025.1.1
あけましておめでとうございます。今年もみなさまにとってしあわせな年となりますよう、心からお祈りいたします。
日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。日本被団協がこれまで行ってきた草の根の活動に深く敬意を表します。しかし受賞の背景には、世界でまた核兵器が使われるかもしれないという危機感があります。いまこそわたしたちは、核兵器のない世界、そして戦争のない世界を実現しなければなりません。
戦争は最大の環境破壊であり、最大の人権侵害です。人権とは、食べもの、住居、医療、教育、自由、平等など、人間らしく生きるために不可欠なものを要求する権利のことです。国際人権の専門家である藤田早苗さんによると、「日本では、人権といえば『人に優しく』というような“個人の思いやり”をイメージしますが、本来人権を実現するのは“政府の義務”です」とのこと。戦争はもちろん、見直されない日米地位協定、沖縄、広島、長崎、水俣、福島の人たちが置かれている状況、入管や外国人労働者の問題、貧困、ジェンダーギャップ、性被害事件の扱いなど、いま日本で問題になっている多くのことが、日本政府が義務を果たしていないことを示しています。
生協の土台は、平和と民主主義です。1951年に日本生協連が創立宣言で「平和とよりよい生活のために」と謳って以降、この言葉は全国の生協で基本スローガンとして使われてきました。そして生協は、その組織形態と運営方法によって民主主義を体現してきました。平和と民主主義を実現するために、そしてコープ自然派の理念である「いのち・自然・くらしを大切にする社会」を実現するために、人権の視点は欠かせません。2025年は国際協同組合年です。3月には奈良県内の協同組合が連携してマルシェを開催する予定です。これを機に、協同組合の輪をさらに広げ、平和と民主主義、そして人権が守られる社会の実現に一歩でも近づいていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
生活協同組合コープ自然派奈良 理事長 上市佳織