組合員活動報告
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井上美和子さん朗読の会
■開催日:10月24日(土)
■場 所:はならあと会場 阿伽蛇屋若林亭 (橿原今井町)
■主 催:脱原発委員会
「町屋の芸術祭・はならあと2020」のコア会場・三百年前の古民家を復元した阿伽陀屋若林邸で、井上美和子さんの朗読会を行いました。井上さんは福島県浪江町のご出身。福島原発事故により関西に避難してこられ、今は京都にお住まいです。
静かなしんとした空気の中に、レインスティックの水音のようなさざめきが広がった後、「おかあちゃん」という
呼びかけで詩の朗読が始まりました。
「お母ちゃん」は作者の井上さん自身。我が子に自分をどう呼ばせるのか、親になったら誰しもが通る道です。“ママ” か、“お母さん” か “おかあちゃん” か・・。 始めはちょっと抵抗があった「おかあちゃん」の呼び名が、日常の中で少しずつ馴染み始めた頃、あの事故が起こりました。 親子4人、身の回りのものだけ持って行き先も決めず車で必死に避難する中、幼い子どもに呼ばれた「お母ちゃん」。 混乱で真っ白になった頭がパッと我に返った瞬間でした・・・ あの時から10年を経て「お母ちゃん」の呼び名が大好きになった井上さんが一番最初に読んでくださった詩です。
全編福島弁でつづられる井上さんの詩は、誰もが思い当たるような平凡で穏やかな家族と紡ぐ暮らしの中に、突然いやおうなしに想像を絶する原発事故が入り込むとはどういうことなのか・・を、静かに、けれど、とてもストレートに伝えてくれます。
参加者からは、井上さんが体験した厳しい現実に対しての感想と共に、世代に共通する懐かしい体験への共感の声なども出て、皆さんが素晴らしい詩とその時間を堪能してくれたことがうかがえました。 できればまた聞いてみたいと思う 貴重な時間となりました。