組合員活動報告
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水戸さん・樋口さんのお話し会
■開催日:2月23日
■場 所:オンライン
■主 催:脱原発委員会
脱子ども被ばく裁判に7年間かかわってこられた水戸喜世子さんと、3.11後に日本で初めて原発の差し止め判決を出した元裁判官の樋口英明さんにお話を伺いました。
#子ども脱被ばく裁判で求めたものは:水戸喜世子さん
・子供たちに被ばくの心配の無い安全な環境で教育を受ける権利が保障されることの確認(子ども人権裁判・行政裁判)
・原発事故後、子どもが被ばくを避ける措置を怠り、無用な被ばくをさせた責任の追及 (親子裁判・国賠訴訟)
裁判では、上記2点において、県や国の施策が不合理であったことを、情報の隠蔽や県民健康調査の矛盾など様々な角度から検証しました。 残念ながら、裁判は3月1日に判決が出て 原告の訴えは退けられました。 原告・弁護団は控訴を決め、これからも訴えを続ける決意を表明しています。
#私が原発を止めた理由:樋口英明さん
・裁判の観点は 「原発は安全か危険か?」
4つのプレートの境目に位置する日本では、世界の1/10以上の地震が発生しています。
地震大国日本で、高度な安全性を担保するために原発の高い耐震性は必須。しかし、地震計が整備される2000年以前の基準で作られたままで、震度6に耐えられる程度の耐震性しかないことがわかり、明らかに危険との判断からなされた判決でした。この判決も、2018年、名古屋高等裁判所の控訴審で取り消されました。これほど明白な危険性がある原発が止まらないのは、これまで原発訴訟を「高度の専門技術訴訟」 と捉えて、原告本人はもちろん裁判官すらおいてきぼりになる難しい専門技術論争に陥ってきたためです。これからは理性と良識の土俵で、皆が理解でき、意見を述べ、確信をもって判断できる審理に変わっていくべき。
まさに、樋口さんが行った裁判は、誰が見ても納得できる裁判と言えるのではないでしょうか。
#その他の質問
・地球温暖化問題の対応として原発を推進する動きについて
原発がひとたび事故を起こすと、その環境破壊は極めて甚大。そのため高度な安全性が求められるが、日本の原発の耐震性はあまりに低く、安全性に著しく欠ける。事故が引き起こす環境悪化の危険リスクは計り知れない。福島原発事故は最悪の事故と言われるが、むしろ偶然の奇跡によって最悪を免れた事故だった。
・自治体などに向けて市民ができることは
まずは知ること、知ろうとすること。国は不可知論(本質がよくわからない、という主張)にもっていくため、実態をごまかすことも多い。実際の被害や耐震性など、現実から目をそらさず、リアリティを持って考えてみる。自治体にも質問していく。 あきらめない(黒い雨裁判は75年間継続)
・老朽原発は何故恐いか?
家電などで経験あると思うが、古くなると急に故障することがある。原発の場合は、飛行機事故に似て、めったにおこらなくても、いざ故障した時は命に直結し、とてつもなく大きな被害を生む。避難の問題についてもリアリティを持って考え、対策を考えるべき。予防原則の考え方を取りいれる。
・裁判官への国会や内閣からの干渉はあるのか
100%ないが、むしろ最高裁判所から裁判官への締め付けが問題。
お二人の裁判のお話から分かった原発の闇を、私たちはしっかり伝えていかないといけません。10年の節目ではなく、これからも続いていく福島の現実を正面から受け止め、そして原発のない社会を私たちの手で選びとっていきたいと思います。
※詳しい内容はタブル438号でも報告されますので重ねてご覧ください。