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パタゴニアの挑戦!アウトドアブランドが、なぜいま食や農業に取り組むのか?
■開催日:2024年6月22日
■場 所:橿原市商工経済会館大ホール
■主 催:理事会
2024年度通常総代会第2部として、パタゴニアプロビジョンズの近藤勝宏さんから、アウトドア企業がなぜ食や農業に取り組んでいるのかお聞ききしました。
アウトドアメーカーであるパタゴニアには「三度の飯よりアウトドアが好き」という人が集まっています。アウトドアのフィールドに行くと、森林伐採や気候変動の影響を肌で感じます。自分たちのビジネスが環境に与えている影響について真剣に考え始めた結果、まず取り組んだのがコットン製品をすべてオーガニックコットンに切り替え、農家と農地を大量の農薬から守ることでした。それから20年以上が経ち、「新しいジャケットは5年か10年に一度しか買わない人も、1日に3度の食事はする。本気で地球を守りたいなら、食の問題解決に取り組まなければならない」とスタートしたのが、食品事業「パタゴニア プロビジョンズ」です。
パタゴニアプロビジョンズが扱う代表的な食品は、カーンザという多年草の穀物を使ったビール。多年草なので毎年土を耕す必要がなく、土壌の生態系を守ることができます。さらに日本では、リジェネラティブ・オーガニック認証取得を目指す農家と協働して、コウノトリ育むお米を350年続く酒蔵で醸した日本酒や、ソーラーシェアリングの畑で不耕起栽培した大豆を使った味噌など、日本の風土に合った製品開発も進めています。パタゴニアではビジネスを、地球を守る「手段」ではなく「目的」に設定しています。創業者イヴォン・シュイナードが亡くなったあとも同じ意思を引き継いでビジネスを続けていけるように、2つの非営利団体を設立し、すべての株を譲渡したことは大きなニュースになりました。パタゴニアにとっては、地球が唯一の株主なのです。