自然派シネマなら「ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡」上映会

■開催日：2024年12月18日
■場　所：コープ自然派奈良　2F活動室
■主　催：理事会（環境平和ボード）

現代芸術家ヴィック・ムニーズはブラジルの貧困家庭の出身です。アメリカに渡り芸術家として世界的な名声と巨額の富を得ました。その彼が故郷ブラジルに戻り、世界最大級のごみ処理場「ジャウジン・グラマーショ」で働く若者たち（カタドール／回収屋）の人生をアートで変えていくドキュメンタリー映画を上映しました。

大量のゴミという私たちの生活の中で切り離すことのできない社会的課題。そこで日々働く人々の貧困という課題。ヴィック・ムニーズがアーティストの視点でこれらの課題に関わることでカタドール／回収屋の意識が変化し、仕事に誇りを持ち、自分の人生を生きはじめる姿にとても感動しました。カタドール／回収屋を卒業して次の仕事を見つける人やカタドール／回収屋をまとめる会社をもっと大きくしようと心に誓う人など、それぞれに次のステージに進む彼らにとても勇気をもらいました。
作品はサザビーズのオークションにかけられ、総額25万ドル（およそ2700万円）の値が付けられ、カタドール／回収屋へ全額寄付されました。2008年当時のブラジルの平均月収は2～3万円ということを考えるとかなりの高額だったことがわかります。

社会的課題に対してアートの力を最大限に発揮したこのプロジェクトは大成功を収めました。芸術的キャリアを通した社会発展、社会的包摂や持続可能性のための芸術教育への貢献が認められ、ヴィック・ムニーズは2011年ユネスコ親善大使に指名されました。彼の作品はニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ニューヨーク近代美術館、ロンドンのテート・モダン、フランス国立写真センターなどで展示されました。ぜひ機会があればカタドール／回収屋たちとの共同作品を鑑賞してみてください。