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これからの民主主義 平田オリザさん講演会
2019.12.9
■開催日:2020年12月9日(月)
■場所:奈良商工会議所
■主催: 理事会
特別決議に基づく学習会の3回目は平田オリザさんの講演会でした。多岐にわたった興味深いお話を抜粋してお知らせします。
・長年続けている演劇ワークショップから。「電車で隣に乗り合わせた人に話しかける」というテーマだけでも文化の違いが浮かび上がってくる。”話しかけないと失礼だ”と感じる文化もあれば ”話しかけると失礼にあたる”文化もある。国際化とは文化の多様性を知り異文化理解能力を持つこと。好奇と謙虚さを持ち 異文化ギャップを楽しめる人が向いている。
・文化とは民族特有の美学や感覚のことだが、明らかに大きく違っている場合は分かりやすい(日本文化と欧米文化など)・一方、多くの共通点があるために小さな感覚の違いに不快感を感じるという事も生じる(日本文化と韓国文化など)。これは「コンテクスト(文脈:言葉のうしろにある背景への想像力)のずれ」と表現される。「ずれ」は「違い」ほどはっきり見分けることは難しいけれど ”それぞれ違いがある”ことから理解を始め深めることが、異文化理解能力につながる。これからの日本社会に必要なのもコンテクスを読み取る力。弱者の痛みなど非言語的な背景をくみ取れるリーダーシップが求められる。
・世界の多くの国は”対話文化(説明しあう文化)”で、日本は ”会話文化(察しあう文化)” 。素晴らしい文化だが世界の中では少数派。世界では説明できないと無能とみなされることもある(芸術の世界は例外)。「対話」は違う価値をぶつけ合うため 話の冗長率が長くなるが、日本は効率を求め、冗長率が低い。
・民主主義を育てるのは、やはり教育。特効薬はなく時間がかかる。演劇ワークショップなどで他人への理解を深めること、他者との関わりを豊かにする力をつけている子が学力も押し上げるという相関関係も見られる。